「カフェのある風景ベルギー」

その日は寒く、分からない地理と分からないフランス語で心もすっかり冷え気味。
ベルギーの首都ブリュッセルには、もっと華やかなものを期待していたのに。。。

美味しいんだか、不味いのかよく分からない魚のお昼御飯をいただいて、
それでもまだ帰るには時間が早すぎるから、すっかり濡れてしまった、携帯用には
少しく大きすぎる地図を片手にまた歩き出す。

首都、といえば東京しかまだ知らなかったんだ。今住んでいるところは首都とはいえ、
いずれベルリンへ国会の移転が決まっていたボンだもの。

わくわくしながら着いた構内は暗く狭く工事中。

ヨーロッパってこんなとこだったのかなあ。

でも地図にはいろいろと宮殿とか、大きな公園、名高い美術館がところ狭しと並んで
いるように見えて、なんとも私の期待を裏切っているようには見えないのに。。。

寒い寒い。。。

石畳も上をやみくもに歩いた。

そうしたら、いきなり大きな凱旋門が出現!

なにを記念したものかよく分からないけれど、とにかく大きい。
近くにあるように見えるけれど、なかなかたどり着けない。

ごみごみした市場を通り抜けてきたあとの
突然この寒空にぴったりの
猛々しい、凱旋門。

今思えば、彼の地に住む人々の考え方、感じ方はわれわれ日本人とは全く違うのだ、
と思い知らされた瞬間であったように思う。

そのかたわらには美術館のようなものがあって人が並んでいたけれど、
なんだかはいる気になれなくて、門のまわりだけをぐるぐると時間をかけて回った。

再び駅に向かう道筋でカフェにはいった。

シナモン入りの小さなクッキーの他に、象の印のはいったチョコが、
無造作に添えられて出て来る。

ベルギーに象がいるわけでもないだろうに、何で象なのかな。

赤い地に描かれた象はしかし、不思議とここの何かと調和している。

向いに座っている主人は、「わあ懐かしいなあ。このチョコ、前にお店で
売ってたんだよ。」と、さっきまでやはり何か不安そうにしていたのに
にっこり笑っていう。

コーヒーの味は、明らかにいつも飲みつけている味とは違うのに、
なんだか懐かしい気持ちになった。


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